江戸っ子
古くからの東京人は自分たちのことを「江戸っ子」といって自慢します。しかし、祖父母の代から三代に渡って東京に住み、かつ他県で1年以上生活した経験がない人は、東京都民のうちたったの15.9%です。昔から、東京に三代住まないと江戸っ子ではないといいますが、そうすると江戸っ子は、全体の2割以下しか現存しないことになります。現代の東京は、昔ながらの「江戸っ子」と、他県移住者が混在してできあがった「新東京人」の都市。当然、職場でも学校でもそれぞれの県民性がぶつかりあいます。そこから生じるトラブルを避けるためか、東京人は無感情で没個性的な傾向があります。しかし、内面には「粋」という言葉に代表されるような、短気で早日、宵越しの金はもたない、という性質を継承しているのです。
隅田川花火大会
東京人は花火が大好きです。そんな東京で花火大会といえば「隅田川花火大会」。江戸時代に「両国川開き」という名前で行われたのが始まりです。しかし、江戸は住宅密集地の上に、ただでさえ火事の多い町。そこで花火とはかなり危険な娯楽です。それでも花火がしたいとダダをこねるあたりが、遊び好きな江戸っ子らしい点。江戸っ子は火事場見物も好きだったと言います。火遊びという言葉がありますが、要するにスリルを求める人種なのです。それは新しい刺激を求め続ける現代の新東京人にも共通しています。
東京系
東京は変化のはげしい町です。今日流行っていたものが、明日には古くなっているといっても過言ではありません。そんな東京で、すでに死語の「シブカジ」という流行語がありました。″渋谷のカジュアル″の略で、地域限定型の文化とファションを指します。これが最近では「渋谷系」といわれています。これなら「新宿系」とか「銀座系」などどこにでも使えて、かつどんなファッションか限定されないので、流動性の激しい東京には向いているかもしれません。東京人は、何にでも興味を示しますが移り気で飽きっぼく、また八方美人といった性格。「○○系」という表現が、奇しくも彼らのこういった性質を表わしているようです。
神田祭
東京の祭りといえば、東京三大祭りが有名です。神田明神の神田祭り、日枝神社の山王祭、浅草寺の三社祭の三祭りです。なかでも神田祭りは、現在では都心のビジネス街で行われるお祭りです。交通量の多い町なかをみこしが
行進する痛快さは、まさにお祭り騒ぎが大好きな江戸っ子好み。「自分たちは特別」という意識が、自尊心の強い東京人の心を大満足させます。とはいえ、これは祭りに参加したがる江戸っ子の話。隣で盛大にお祭りをやっていても、我関せずと暮らしていられるのが新東京人です。伝統やしきたりに縛られない彼らにとっては、興味のないものはおみこし行列も選挙カーも一緒というわけです。
徳川家康
徳川家康といえば首都東京の原形、江戸幕府を築いた人物です。ライバル豊臣秀吉、織田信長とは性格のがいから「ほととぎす」の俳句で比較されます。家康は「鳴かぬなら鳴くまで待とうほととぎす」。目立った手出しはせず、慎重に時期を見極めて、天下を取ったわけです。つまり、家康は情報から判断することがうまかったのです。これは今の東京人にも共通していること。特に新東京人は、雑誌やロコミなどから情報を得て、自分が他人からどう見られるかも計算し、理想の東京人になろうとします。次々と湧いてくる最新情報の波におぼれないパワーを、新東京人はもっているのです。
新東京人の喜怒哀楽
喜
タイムイズマネーの東京人にとって交通の便が良くなるのはは大歓迎です。そんな東京で、2000年に全線開通した都営地下鉄12号線。名称も「大江戸線」と一新して話題になりました。ところでこの名称、いったんは「東京環状線」になったものを、石原都知事が「運行方法が環状ではない」と異議を唱えて最終的に決まったネーミング。愛称として選ばれた「夢もぐら」もあえなく不採用でした。
怒
東京人のブーイングといえば、「世界都市博覧会中止」にまつわるモメごと。開催しても中止でも、結局は多額の費用がかかる結果に……。博覧会が予定されていた臨海副都心も、今では新しい観光スポットとなっています。しかし、東京人は忘れっぽい性質。お台場で遊ぶ若者などは、もう都市博のことなど忘れてしまったかもしれません。
哀
東京は住みにくい町とはよく言われます。その理由で一番多いのは「物価が高いこと」、次に「高い家賃と住宅ローン」。どうやら経済的理由が大きいようです。続いて「人や車が多い」「大気汚染、緑が少ない」などの環境面があげられています。こんなに暮らしにくくても、東京に住んでいるのは、やはり東京には、高い給料の仕事が多いからでしょう。仕方がないから住んでいるという東京人には哀愁が漂います。
楽
東京人はお金を貯めるのが大好き。1人あたりの個人貯金残高は東京人が780.8万円と全国トップです。反面、翌日段の生活はできるだけ切りつめてお金や財産を残したい」という都民はたった33・3%で全国最下位。東京人はプライドが高く、クールを好む人種。たとえ一生懸命働いてコツコツお金を貯めていても、努力の顔は他人には見せたくないのでしょう。